10月1日(火)
■雨の日のエピソード■

台風21号が日本に接近している影響で、上田市は朝から1日雨でした。ここ数日ぐずついた天気が続いていて、秋晴れが恋しいのですが、こればかりは、いくら僕が努力してもかないそうにありません。

そうそう、雨といえば、こんな話があります。

ここ数日、お母さんの様子が変なので、娘が心配になってお母さんに尋ねました。
「お母さん、どうかしたの?最近ため息ばかりついて、変よ」
すると、お母さんは言いました。
「なんだか急に長男のことが気になってね。」
お母さんには、3人の子供がいました。長男と次男そして末娘の3人です。
「どうしておにいちゃんのことが気になるの?」
娘が尋ねると、お母さんは答えました。
「だって、あのこは、土方をしてるだろ?ここずっと雨続きじゃないか。『土方殺すにゃ刃物はいらぬ。雨の3日も降ればいい』って言うじゃないか。それで、あの子が大丈夫か、心配なんだよ」
「なるほど・・・、でも母さん、明日から晴れだって天気予報で言ってたから、もう心配しなくてもいいよ」
「そうかい・・・それならいいが・・・」
娘の言うとおり、翌日からは、快晴が続きました。しかし、また母さんが沈んだ顔をしています。娘は尋ねました。
「どうしたの?母さん。こんなに晴れているのに。お兄ちゃんはきっと元気に働いてるわよ」
「今度は、次男坊が心配になってね・・・」
次男は、傘職人でした。
「こんなに天気の日が続くと、傘が売れないだろ?そうしたら、あの子は仕事を続けていけなくなるかも。そう考えると、心配で心配で・・・」
うつむいている母さんの顔を見て、ふと、娘はひらめきました。そして、母さんにこう言いました。
「お母さん、わたしの言うことをよく聞いて。こういう風に想像してみたらどうかしら。雨の日は、ちい兄ちゃんの作った傘がよく売れて、ちい兄ちゃんは大喜び。晴れの日は、お兄ちゃんが土方仕事に精を出して、どんどん仕事がはかどる。どう?いつだって、お母さんには嬉しいことばかりじゃないの」
娘にそう言われて、お母さんはすっかり明るくなりました。

物事には裏表があって、それが現実です。裏と表があって、それで1枚のコインなのです。どちらを見つめて暮らしていくのか、大事なことかもしれません。ただ、この話には、もう少し続きがあります。

「おかあさん、どうしたの?またそんな暗い顔をして。お兄ちゃんたちなら大丈夫よ。心配しないで」
「そうじゃないよ。息子たちが大丈夫とわかったとたん、今度はお前が心配になってね。もう30なのにまだ一人身だし。結婚できそうかい?」
「うるさい!ほっとけい」

 バックナンバー