懐かしいものが見つかりました。中日新聞の「市民の声」に掲載された原稿です。古くてゴメンね。
99年1月14日
■言葉、この不思議なるもの■

言葉ってなんだろう。

友人からそんな電子メールをもらった。いつも使っているものなのに真剣に言葉について考えたことはなかった。パソコンを前にしばらく腕を組んでいた後、苦しまぎれにこう返事を書いた。
「言葉は酒のようなもの。適量を守っていれば、薬になるが、度を過ぎるとえらいことになる。二日酔いには気を付けようね。」

しかし、これは、言うなれば、言葉の用い方・処方箋であって、言葉そのものに対する解答ではない。依然として僕には言葉というものに対して疑問が残った。

そんな折り、こんな記事に出会った。ある実験である。二切れのパンがある。毎日一定時間パンに向かって話しかけるというのだ。一方には「おいしそうだね」、もう一方には「まずそうだね」と。結果どうなったか。後者のパンにはたくさんのカビが生えたが、前者には、ほとんど生えなかったという。

これをどう解釈するのか。言葉がそれ自体である力を持っているというのか。そう結論するには、まだ早すぎる。言葉を発する人の思念がそうさせたかもしれないからだ。

簡単にできそうだから自分でも実験してみようかな、と思っていた所に友人からのメールが届いた。そこにはこう記されていた。「僕も考えてみたんですが、言葉って服ですかね。お気に入りの服を着ていると気持ちまで楽しくなる。人は、服を着ないわけにはいかないのだから、自分を素敵にしてくれる服をいつも着ていたいですね」なるほど、そうだね。

(99年1月14日  記    僕の誕生日に)
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